自然生態調査論

 
担当講師 学期 曜日 時限 教室
大堀 聰 秋学期 4限  

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授業要旨
 身近な自然である雑木林は、約50年前までは生活の糧であった。都市部を除き、煮炊きや暖をとるための薪炭、シイタケ栽培のためのホダ木、畑への堆肥やサツマイモ苗床譲熱剤、家畜の刈敷や飼料など、私たちの生活と深く結びついていた。生活の糧を提供してくれる林は「ヤマ」としてあがめられ大切に使用されていた。 第二次世界大戦に敗れ、私たちの生活は大きく変化した。生活革命や燃料革命により落葉も落枝も不用になったため、下刈りや落葉採取も萌芽更新のための定期的な伐採も行なわれなくなった。その結果、管理放棄された雑木林では二次遷移が進行し、常緑樹や外来種が侵入した。 管理放棄された林には、新たな価値が生まれた。土地としての価値である。1960年代の高度成長期には、都市部に人口が集中し、林は宅地供給源となった。首都圏の狭山丘陵でも、1970年代から大規模な宅地開発が行なわれ、町は何倍にも大きくなった。 身近な林には、土地としての価値しかないのだろうか。物質生産、水や栄養塩類循環、大気の浄化、気候の緩和、崩壊阻止、保水効果や緑のダムとしての水源涵養など、林は目に見えない多くの恵みを与えてくれる。また、雑木林は最も身近な自然であり、小さな面積でも生物的多様性(遺伝子・種・生態系・景観の多様性)の維持にとって重要な役割を果たしていることが明らかになっている。都市部に点在する小さな緑のネットワークが、動植物の分散を助け多様性の維持に寄与している。  緑は量だけではなく、質も重要である。移動力の小さいカタクリやシジミチョウなどは、雑木林でしか生きることが出来ない種(遺存種)である。このような種は雑木林(落葉樹林)が管理放棄され遷移して常緑樹林になれば、すべて滅びてしまう。 保全とは、持続可能(sustainable)な利用による人と自然の共存の概念である。過度な利用や開発は、自然環境に回復不能なダメージを与える。本講義では首都圏の緑の孤島と呼ばれる狭山丘陵や本庄キャンパスのある大久保山の自然環境を題材に、生物的多様性に配慮した身近な自然との共生のあり方を考える。

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